髭の生え方の個人差

生物

はじめに

髭の生え方には男女差や個人差がありますが、この差はなぜ生まれたのでしょうか。

私は北海道の湿原で釣りをしていてある仮説にたどり着きました。
湿原で釣りをしていると、蚊やアブなどの吸血昆虫の大群に襲われます。手足は服装によりガードすることができ、また、目や耳など感覚の鋭い部分は自身で気づいて追い払うことができるのですが、その点で頬は無防備なので刺されてしまいます。
そこで、髭がボーボーに生えていれば刺されないのに…と考えました。

吸血昆虫の危険性

蚊やアブなどの吸血昆虫は刺されると痒みや痛みで不快ですが、それだけではなく、マラリアやデング熱などの感染症を媒介し最悪の場合は死に至ります。世界で一番人間を殺している生物は蚊だというのは有名な話です。

湿原で釣りをしていて吸血昆虫の大群に襲われた経験から、髭は吸血昆虫から身を守るために生えるのではないかと考えました。

狩猟民族と農耕民族の差

一般的に、欧米や中近東の男性は髭が濃く、それに比べると日本を含むアジアの男性は髭が薄いです。この点について、私は狩猟民族と農耕民族による違いが髭の生え方の差につながったと考えます。

狩猟民族の場合は、山奥で狩りをするため多くの吸血昆虫に襲われます。そこで身を守るために髭が濃くなっていったと考えられます。

一方で、農耕民族の場合は、気候が温暖なため山奥に狩りに行かずとも近くの田畑で耕作をして暮らしていくことができます。そのため、吸血昆虫の大群に襲われることも少なく、髭が薄くなっていったと考えられます。

男性と女性の差

次に、男女差について説明します。これも同じく男性の方が山に入り狩りをする機会が多いので吸血昆虫から身を守るために髭が生え、女性はそのような機会が少ないため髭が生えなくなったと考えられます。

DNAの変化による差

髭の生え方の差について、DNAの観点からも検討してみます。

DNAのすべての遺伝情報のことをゲノムといいますが、ゲノムのうち遺伝子=タンパク質を作る遺伝情報を持っている領域は2%のみです。残りの98%は「眠ったまま」の状態になっており、これを非コードDNAといいます。非コードDNAは、遺伝子の発現を変化させることで、環境に対する適応能力の幅を広げ、変化を後押しする役割があると考えられています。*

髭の生え方の差についても、髭についての遺伝情報を持っている領域が、吸血昆虫から身を守る必要がある環境においては遺伝子として引き継がれていったと考えられます。また、吸血昆虫に襲われる機会が少ない環境においてはその領域が眠ってしまい非コードDNAとなることで、髭が薄くなったり生えなくなったりして環境に適応していったと考えられます。

終わりに

以上より、髭は蚊やアブなどの吸血昆虫から身を守るためにある、吸血昆虫に襲われる機会の差により民族や男女による差が生まれたと考えます。

*参考文献:

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